#CSC <Cyber Security Club>

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#CSC|第1章 【空】

あれから数日。

彼は姿を現さなかった。

 

あれだけ質問責めをしたんだ。大抵の人間は私がウザいと感じ、私の行動範囲には姿を見せないのが普通だろう。

 

聞くに落ちず語るに落ちるとは、まさにこの事だ。

 

彼の事を知りたいなら聞く耳を持つべきだった。

 

ところが私のような《自己主張が強い人間》はそれが出来ない。相手を思いやり、相手の立場に立って物事を考える事が出来ないのだ。

 

私もLINEやTwitterなどを素人ながら始めてみた。

 

ところが、やはりこの性格のせいで、質問だけのメンションを飛ばしてしまったりトークもいつしか話をそらしてしまう。上手く伝わらなければスタンプの嵐。

 

コミュニケーションというのは、リアルでもバーチャルでもルールやマナーがある。

 

それは分かっていてもやはり時として自分本位に発信してしまう。

 

小さなスマホの小さなキーボードから放たれるテキストは大きな大きな影響力がある事を忘れてはならない。

 

そんな後悔に苛まれながら私はAppleWatchのディスプレイをタップし、いつものアクティビティのエクササイズを示す緑色の円を完成させるべくワークアウトのウォーキングに勤しむ日常を過ごしていた。

 

そんな日々の中、ふと空を見上げ眩しく降り注ぐ陽射しに手をかざすと、陽射しの中から彼がこちらを見ている気がした。

 

(ひょっとして…今…彼は…この境界線の無い"空"のように、インターネットの世界で自由に飛び回っているのではないか…)

 

彼の名前もまだ聞いてなかったな…。

 

名前も知らない彼の事を私は【空|スカイ】

 

そう。

 

スカイと勝手に呼ぶ事にした。

 

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